副業を転職のステップとして考える

· キャリアコンサルティング

 副業は単に収入を増やすだけでなく、転職を考える人のステップとしても有効です。副業が転職をするためにどう役立つのか、気をつけるポイントについてご紹介します。

副業は転職のステップとしても有効

昨今、副業を認める企業が増えてきました。厚生労働省も副業のガイドラインを定めるなど、社会も副業を促進する流れが進んでいます。

一方で、副業収入に関する2021年のマイナビ転職の調べによると、副業の収入平均は月に6万円を下回り、本業に力を入れた方が効率的だという考え方も根強いようです。もちろん、副業を行うことで本業のパフォーマンスが悪くなり、結果として評価が下がったり、収入がダウンしてしまったら本末転倒です。しかし、長期的な収入アップの転職のために副業を行うことも可能です。転職をするために副業をするメリットについて考えてみましょう。

転職のために副業を行うメリット

・視野が広がる

一つの企業で働いていると、どうしても同じ価値観や似たような境遇の人と接することになりがちです。業務を進めているとその対応に追われてしまい、インプットや外部の状況を得る機会が減ってしまいます。企業によっては外部の情報を組織内で集めており、その情報を活用できるケースもあるかもしれません。ただ、その情報も企業の価値観のフィルターを通した情報であるといえます。副業で規模や業界の異なる業務や人と接することで、新たな価値観などに接することができ、視野を広げることができます。

・自分のやりたいことを見直せる

会社の仕事と異なり、何をするかは自分で決めることになります。副業だからこそ、収入にこだわらず、やりたいことに目を向けることが可能です。何をしたいか、何ができるか、を改めて見直す機会になります。副業をしようと思ったとき、何に関わることをしたいと考えますか?それが自分のやりたいことに近いことです。趣味に関わることをしたい、身体を動かしたい、自然と接したい、など。本業では社会的ステータスなどが気になる人も、副業であればこだわりなく選べることが多いようです。結果としてやりたいことを見直す機会になります。

・考えていたことを行動に移す習慣がつく

 日々過ごしていると、思ってはいるもののなかなか行動に移せない、ということもあるかもしれません。企業で何かやりたいと思っても、会社内の制限があったり責任がついてくる可能性もあって、なかなか行動に移しにくい部分があります。ただ副業については、進めることに対して制限がありません。自分のやりたいように進めることができます。行動を移す習慣をつけることによって、前向きに物事が進むようになるというメリットもあります。

・会社の良さを第三者の視点で見直すことができる

転職をするために副業をしたのに会社の良さを見直すのか、という話になるかもしれませんが、大事な視点です。転職のきっかけは、所属する会社に対する不満であるケースが多くあります。感情的になったまま転職を行っても、それだけで良い結果になることは稀です。そのため、会社を第三者の目線で見て良さなどを改めて見直した上で、転職を行うかを冷静に決めることで満足のできる転職につながります。自分の会社が古かったことに気づき、転職をすることが正しいことの確信になるかもしれません。

転職をするために副業するときの注意点

では、転職をするために副業をするときの注意点についてもまとめてみましょう。

・収入にこだわりすぎてしまう

副業も仕事なのでお金を得ることができるものに流れてしまいやすい、ということです。時給や報酬が気になってしまい転職をするために副業をしたはずがなんとなく収入の高い仕事をしてしまってしまった、という話を聞きます。転職を目標とするなら何のために副業をするのか、副業によって得たいものをメモをしておき、見直すだけでも効果があります。

・転職にあまり役立たない仕事をしてしまう

収入のこだわりと似ていますが、副業の経験が転職に役立つかの視点を抜かしてしまうと、生かすことができません。転職活動の場で、副業の内容やそれで得たことを話してメリットがありそうかを考えてみるとイメージがつきやすいと思います。

副業の制度を上手に使って、自分の求める仕事やキャリアに近づけるといいですね。

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